あらせんstyle

教育委員会の指導主事として学校関係者に生徒指導に関する指導助言や、学校心理士として保護者や児童にカウンセリングなども行なっている。小学校教諭を16年間勤め、関わった子供は約3500名。2014年には総合学習の実践で第63回読売教育賞 最優秀賞を受賞。著書「いじめ2.0 ~新しいいじめとの戦い方~愛育出版」

信じて待つ

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科学の発達により「待つ」ことが減少しています。

例えば、待ち合わせに遅れそうになれば、

「先に行ってて」と、携帯電話やLINEで連絡することができます。

昔ならそうもいきません。

昨年、私に第三子が誕生しましたが、出生前に男の子だと判明していました。

昔なら男か女かドキドキして待っていたことでしょう。

どんどん「待たなくてよい社会」になっているのです。

 

鷲田清一氏は著書「『待つ』ということ(角川選書)」の中で、

物事を長い目で見る余裕がなくなり、

結果が出ないとすぐに別のやり方を求める傾向があることから、

「待つことができない社会」になったとも指摘しています。

 

しかし、教育者として断言できることは、

教育(子育て)には「待つ」ことが必要です。

モタモタしている子に、

「早く!」と言いたくなる場面は多々ありますが、

グッと言葉をのみ込み、

待ってあげることが、子どもの成長につながる場合があります。

 

変わるための力になろうと、励ましを送り続けることも「待つ」ことです。

相手を信じて「待つ」ことは、人を育てるための要諦です。