あらせんstyle

教育委員会の指導主事として学校関係者に生徒指導に関する指導助言や、学校心理士として保護者や児童にカウンセリングなども行なっている。小学校教諭を16年間勤め、関わった子供は約3500名。2014年には総合学習の実践で第63回読売教育賞 最優秀賞を受賞。著書「いじめ2.0 ~新しいいじめとの戦い方~愛育出版」

感謝は生きる力を生み出す

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こんな話があります。

教師時代によく子ども達に語った話です。

 

ある男性が自殺しようとしていた。

それに気がついた人が、

とにかく自殺するのを止めようと、

とっさに出た言葉が、

「早まらないで。友人知人に手紙を書いてから、もう一度考えて。」

と。

心からの叫びを聞いた彼は、

それならば最後に手紙を書いてから死のうとした。

 

彼は、

これまで自分に関わってくれた、

一人一人のことを思い出し、

手紙を書いて言った。

 

数人分、書き終えた時、

彼は気づく、

「自分には、こんなに思ってくれる人がいた」のだと。

そして、

心から、「ありがたい」と思えた。

 

ありがたいと、

「感謝の心」が腹の底から込み上げてきた時、

自殺しようとしていた彼は

「もう一度生きてみよう」

と思えたという。

 

「感謝」は「生きる力」を生み出すのである。

 

恩師から聞いて忘れられないエピソードです。

本当にそうだなぁと。

 

私もそうでした。

親が離婚した時、大学受験・教員採用試験に失敗した時、

保護者から担任変えてくれって言われた時・・・

どん底に落ち込んだ時、

「生きる希望」を与えてくれたのは、

母であり、友人であり、同僚の真心でした。

その心に「感謝」できた時、

「立ち上がる勇気(生きる力)」がみなぎってきたのです。

 

だから「ありがとう」って思えることは、

人生を豊かにする上で本当に大切だと実感しています。

 

こんな話を教え子にしていました。

みんな覚えてる?